気休めなもの。役立ちのもの。

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サルとイヌの共同ブログ

ひと目でわかる!グラフで見るアジア各国の経済。

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旅行でも仕事でも注目度が高いアジアが今回のトピック。

 

「その国がどれくらい発展しているのか」を理解しておいた方がいいのは誰もが同意することだと思います。

 

一方で、「2011年時点でのミャンマーGDPは519.2億USD」とか言われてもピンとこない…。この値は、一体どれくらいの経済発展を示しているのでしょうか。

 

人間は、自分がわかるものと比較しないとわかりません。写真によるものの大きさと一緒ですね。

 

例えば、右の写真だと大きさは分かりませんが、左の写真だと誰もが大体の大きさを知っている「本」と比較しているため、大きさが想像できます。

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前置きが長くなりました。というわけで、今回は世界銀行のデータを利用して、アジアの経済規模をわかりやすく比較してみましょう。

 

まずは、GDPによる比較

GDPなんぞや、という方はこちらがオススメ。

GDPって何?……国内総生産の基礎知識:nikkei4946(全図解ニュース解説)

ざくっと言うと「その国の人が一年間に稼いだお金の総額」です。「実質」「名目」といった話は今回は割愛します。目的は、「ひと目でアジアの各国の経済の相場観を知る」ということですから。

 

早速グラフで比較してみましょう。仮に「スリランカの経済規模・発展ってどのくらいだろう」と考えたとします。

 

まずはざっと周辺アジア国と比較。インド、インドネシア、マレーシア、バングラデシュ、タイ、スリランカ、ネパール、カンボジアと比較してみます(グラフはマウスオーバーで各年の値が確認できます)。

上記のグラフをみると、どうやら最低グループに入っているようですね。

 

もう少しわかりやすくするためにインド、インドネシアをグラフから外してみましょう。

こうしてみると、下から3番目ですね。最下位がカンボジア、その次がネパール、それに続いてカンボジアです。

 

しかしスリランカはアジアの貧困国なのでしょうか?ざっと画像をググってみた感じ、そんな貧困国には見えませんね。

 

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一人あたりのGDPを確認

そこで、一人あたりのGDPを確認してみます。一人あたりのGDPは、ざっくりいうと「国民一人あたりが一年間に稼いだお金」です。つまり国民の生活水準と言ってしまってもよいでしょう。

各国をごぼう抜きして、 スリランカはマレーシア、タイにつづいて3位になりました。スリランカを地図で見ていただくとわかりますが、国土が小さく日本で言うと北海道の8割くらいしかありません。人口も2000万人程度です。

 

 

そうなると、国全体の経済規模が小さいのは当然ですね。しかし一人あたりの生活水準は高い、つまりアジアの他の国と比べて国の規模と人口の割には稼いでいる、ということがわかります。実際にスリランカの首都コロンボでは何でも揃い、日本人も快適に暮らせます。

 

ちなみに中国・日本・韓国を入れるとGDPの比較はこうなります。恐るべし中国。日本でも2009年、2010年あたりにGDPで抜かれたのが大きな話題になりましたね。

 

しかし一人あたりのGDPを見てみると中国は下に沈みます。中国の成長は目覚ましいですが、地方部の状況を考えるとまだ全体としての生活水準は低いと言えます。地方部との格差は中国にとって今後の大きな課題です。

アジアで勢いのある国はどこ?

例に出したスリランカがアジアの中でも経済が発展していることはわかりましたね。しかし、日経新聞スリランカの名前をほとんど目にしません。地理的に遠いことも関係しているかもしれませんが、直行便も飛んでおり8~9時間程度。インドとそんなに変わりませんね。これはあまり理由にならなそうです。

 

そこで、GDP成長率を見てみましょう。 

グラフがごちゃごちゃしてしまって若干わかりにくいですが、スリランカGDP成長率は2012年の9.145%を境に下降気味です。なお、2009年に軒並み各国の成長率が下落しているのはリーマンショックの影響ですね。

 

人口も2000万人なので市場も小さい。あまり企業の参入意欲がわかないのも理解できます。また生活水準も高いため、労働賃金も水準がアジアの他国より高いことが容易に推測できます。

 

さらに人口増加率を見てみるとスリランカは頭打ち状態になっていることがわかります。

スリランカをビジネス市場としてアジアの他国と比較した場合、やはり将来的な人口ボーナスと経済の成長率を期待できる国のほうが注目される(よって日経新聞もあまり取り上げない)という分析ができます。

 

まとめ

今回はスリランカを例にアジアの各国の経済状況を「ざっくり」見てみました。

 

アジアの各国の状況を見るには、まだたくさんの切り口があります。例えばバンコクプノンペンといった各国の商業主要都市とそれら国の地方部の発展具合は全然違います。今後はそういった切り口についても記事を書いていきたいと思います。