【お気楽映画レビュー:★★★】ヒメアノ~ルには「救い」がある。
画像:「映画『ヒメアノ~ル』 | 大ヒット上映中!」より引用
シビれる映画でした。
古屋実原作の「ヒメアノ~ル」をお気楽レビュー。超オススメの映画です。
1. 99分で二度楽しめる
ヒメアノ~ルは99分という短い映画。しかし前半と後半でガラッとトーンが変わります。トーンが変わる瞬間は、まさに桃鉄の「ボンビー」が「キングボンビー」に変身する瞬間を想起させます。それはまるで「日常」がある時突然ガラッと奈落の底に落とされるようなメタファー。
ドロドロした上に、ダラダラ長くて後味悪い、一歩間違うとそうなりかねない映画だったと思いますが、この映画はそうではありません。心理描写やキャラクターの背景が99分にギュッと詰められています。それを成立させた映画そのものの表現力の高さ、そして俳優陣の演技力の高さは必見です。
2. 「森田」が怖すぎる
各レビューでも大絶賛ですが、森田剛の演技が半端じゃないです。本当に狂気。それは映画の中の「森田」が狂っているのか、演じている森田剛が狂っているのか、途中で境目がわからなくなる程です。その狂気の渦中にある「森田」と友人に1人はいそうな濱田岳演じる「岡田」のギャップが、さらにリアル。より一層観ている人に恐怖を感じさせます。
3. 「救い」がある
でもこの映画が「グロ系」映画と一線を画すのは、「救い」があるからです。比較する対象として適切じゃないかもしれませんが、映画「脳男」は全く救いのない映画。が故に見た後の後味の悪さが半端じゃない。
でも「ヒメアノ~ル」は、最後観た時に救われます。それは、吉田監督が原作を変えてまでこだわった部分なのでしょう。そしてムロツヨシ演じる「安藤」の存在。観た人には絶対納得いただけるポイントだと思います。
今日の「お気楽映画レビュー」
最近、漫画原作の映画が多いですね。ヒメアノ~ルはその中でも強烈にオススメしたい映画です。家族や子供と観るのにはちょっと向きませんが…。