気休めなもの。役立ちのもの。

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サルとイヌの共同ブログ

「情報」とは何か。

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「情報」ってなんだろう?

仕事をしていく上で、また生きていく上で必ず向き合わなければ行けないもの。それは「情報」。あまりに広いその意味に惑わされてしまうので、今日は 我々が日頃接している「情報」にどんなものがあるのか、考えてみたいと思います。なお、この記事は「5.意見」にカテゴライズされますのであしからず。

 

 

1. 事実

これはとても簡単ですね。辞書にある通り「実際に起ったこと」であり、誰が聞いても見ても変わらないこと、です。もっとも情報の中で、正確性が高いもの、と言えます。

例)

 

2. 科学的に証明されているもの

科学的に証明されているものは、情報として十分に確かである、と言えます。「同じことを同じ条件で試せば同じ現象が結果として得られる=科学的である」と言えるでしょう。

例)

  • 水素と酸素を化合させると水ができる。

 

3. 統計分析等で導かれた法則

辞書によると法則とは「一定の条件のもとで、必ず成立する事物相互の関係。また、それを言い表した言葉や記号。」とありますが、世間一般ではもっと広い意味で使われているように思います。

よってもう少し使われている現実に即して「一定の条件のもとで、高い確率で成立する事物相互の関係。」としたいと思います。以下の有名な法則についても、高い確率で当てはまりますが、まったく当てはまらないケースもあります。例えば記憶力が尋常じゃないほど高い天才にはエビングハウス忘却曲線はあてはまらないでしょう。「法則」は便利な言葉なのでよく引用されますが、どういった「条件下」という点にも目を光らせる必要があります。

例)

 

4. 経験則・権威

世の中の多くのビジネスベストセラーは成功者の「経験則」に当てはまります。この経験則は曲者で、再現可能性は上記の3つに比べてグッと落ちます。

例えばイチローが「毎日素振りをしてきたからメジャーリーガになれた」と説明したからといって、ある少年が毎日素振り続けてイチローのような大リーガーになれるとは限りません。「同じ人間がやっている」という意味では条件は一緒ですが、それ以外の条件が幅広すぎるのです。その割に世の中では、この経験則というのは重視されます。

権威についても似たような性質があります。例えばサッカー元日本代表岡田監督が「久保のドリブルに最近キレがなくなっている」と全く根拠なく言ったとしても「そうなのかもしれない」と人々が真に受ける、久保選手だって真に受ける可能性があります。一方でサッカー素人の私が言ったとしても誰も聞いてくれないでしょう。なぜなら私には経験がなく、またそれに支えられた権威がないからです。たとえ同じことを言ったとしてもその意味合いが変わってくるのです。

なお、経験則は隣のおばちゃんが「このヨーグルトを食べたら便秘が治ったの」という程度のものも含まれます。

例)

  • 〇〇をやってきたから僕はプロサッカー選手になれた。
  • 大学教授が◯◯と言った。

 

5. 意見

さらに情報の正確性と性質が変わるのが、「意見」です。「意見」とは自分の考えを述べることです。それが例え事実に基づいておらず、ましてや嘘であったとしても「意見」となります。そして「意見」というのは、我々の生活の中で情報の大半を占めます。世の中に溢れていますし、職場にも溢れています。

厄介なのは、この意見が、あたかも「1. 事実」「2. 科学的に証明されたもの」「3. 統計分析等で導かれた法則」のように語られることがあることです。ですから、それを見分けるために「情報リテラシー」が重視されるのです。

なおこの意見をある程度経験を積んだ人、社会的権威がある人が言うと「4. 経験則・権威」になることがあり、ここの境界線は若干曖昧と言えるでしょう。

例)

  • 僕は次郎が世界一のラーメンだと思う。
  • トランプ大統領は、最高の大統領だ。

 

6. 未確認・不確定情報(又聞き・噂・憶測)

「5. 意見」との境界線が曖昧なために見分けるのが難しい「6. 未確認・不確定情報(又聞き・噂・憶測)」。

例えば、伝言ゲームがわかりやすいですね。ある事実が報告されていく過程で、途中で「5.意見」が混じったり、勘違いが起こったりしていしまい、到達する頃には、全く違う情報になってしまうことがあります。バカみたいな話ですが、これって本当によくあるんですよ。未確認情報で検討を進めてしまうと非常に危険なことになりかねない。例えば警察の場合、冤罪にもつながってしまいますね。このカテゴリーには日頃から気をつける必要があります。

往々にして飲み会の話題にでてくる「どっかのサイトでみたけど、〇〇と〇〇付き合ってるらしいよ」も同カテゴリーです。

例)

  • 重大事故発生(事実)→重大な事故が発生しました(現場担当)→事故が発生したようです(課長)→事故の報告がありました(部長)→軽微な事故が発生したようですが対応済みです(役員)→お疲れ様(社長)
  • トランプ大統領が大好物は次郎ラーメンらしいと何処かのサイトでみた。

 

今日の「役立ち」

いかがだったでしょうか、日々接している情報を無意識に振り分けていながらも、意識的にカテゴリー分けして考えることは少ないと思います。今回の情報のカテゴリー分けは、あくまで私個人の独断と偏見に基づくものですが、重要なのは「自分が意識して情報を精査しているか(=情報リテラシー」ということ。

この記事をきっかけに、皆さんが一度立ち止まって、情報について考え整理し、仕事や日々の生活の質を高めて頂くことにつながれば、この上ない幸せです。