気休めなもの。役立ちのもの。

気休めなもの。役立ちのもの。

サルとイヌの共同ブログ

「お金の不安」とサヨウナラ

f:id:lkecmlfd:20170520161212j:plain

お金のこと考えると不安になるのは誰もが共通のはず。

名著『「お金」の教養』から学ぶ、漠然とした「お金の不安」の取り除き方。20代、特に新入社員は必読です!

 

 

1. なぜ不安か?:「不安」と「煽り」で儲けている人がいることを知る。

お金のことを考えると「漠然と何となく不安」という方が多いのではないでしょうか?私も長らく漠然と以下のような不安を持っていた1人です。 

  • 自分の仕事がAIに取られてしまわないか不安
  • 将来の貯蓄が不安。
  • 財テクって何をすればいいの?
  • 年金制度って崩壊しちゃうの?等々

 

本書では、その疑問に出口氏がバッサリと答えます。

 

答えは簡単。不安を煽るほうが商売がしやすくて、「儲かる人」がいるから。それだけのことです。

Read more at location 191

 

た。。。確かに。

 

皆さんも思い当たるフシが多いのではないでしょうか。お金だけではなく、健康食品、老後、英語、仕事、受験、年金、、、。全てにおいて、ネットでもテレビでも「煽られた」記事が溢れています。でもそれは悪意があるわけではなく、人間の特性上仕方がないことなのです。だって「グローバル化が進むから英語を勉強した方がいいよ」という記事よりも「生き残りをかけた戦い!英語ができない人材は職を失う!?」のほうが絶対に読んでもらえますからね。

 

不安になれば、まじめな人ほどなんとかしようと行動する。  そのまじめな人の行動の先には、必ず「儲かる人」がいる。

Read more at location 200

 

そういった不安や煽りに惑わされないためには、「なぜ?」「だからどうした?」の視点を保ちつつ、事実に基づいて「自分の頭で考える」ということが大事なのですね。 

 

①政府やきちんとした民間の調査機関が集計・分析したデータ(数字・ファクト)を探す

②そのデータをもとにして、偏見を持たずにロジック(論理)を組み立てる

Read more at location 225

 

 

なお、国民年金の保険料を払うのを辞めて貯蓄に切り替えよう、という人達へは以下のようにバッサリ。本書にある通り、近代において「国」以上に安全な金融機関はその国に存在しないですから(ギリシャといった財政的に危うい「国」と他国金融機関を比べるのは除く)。

 

 国民年金の保険料を払うのをやめて、その分、自分で貯蓄しようとする行為などがその典型です。そういう人は、より安全なところ(国)からそうではないところ(金融機関)へと資産を移し替えていることになります。大地震がくるとわかっていながら、耐震基準を満たした鉄筋コンクリートの免震マンションからほったて小屋に引っ越すようなものです。

Read more at location 287

  

2. お金を貯めるよりもずっと大切なこと:「フロー」と「長期投資」

煽られていることに気づいて少し不安は解消された気がするものの、次に考えることは「そうはいってもお金は大事だし、じゃあどうやったらいいの?いくら貯めておけばいいの?」とうことではないでしょうか。

 

それに対する答えは…

 

人生にしても、お金の使い方にしても、みんなに共通する「正解はない」ということだけは、もっと多くの人が実感として持っておくべきだと思います。<中略>。自分で考えた結果なら、それこそがオリジナルの「正解」なのです。

Read more at location 1201

 

 そんな、元も子もない…。

 

しかしヒントはあります。まず貯金は「年収1年分程度」あれば、まぁ大丈夫だろう、ということ。年収300万円なら300万円貯蓄があれば、ひとまず安心。

 

それでは年収1年分の貯蓄ができたら、次はどうするか。それは「毎月確実にお金が入ってくる状態をつくる」ために、「(自分に)投資をすること」です。

 

ただ、誰しもに共通する原則がひとつだけあります。それは、「○万円貯めること」ではなく、「毎月確実にお金が入ってくること」のほうがずっと大切である、ということです。冷静に考えれば、毎月きちんとお金が入ってくれば、毎月きれいに使い切ったところで問題はないのですから。

Read more at location 1299

 

お金を稼げるということは、自分が価値を提供できる、ということ。その価値を高めるために余剰資産を自分への投資に回し、出来る限り「お金が入ってくる状態」すなわち「ストックよりもフロー重視」の状態に持っていくこと。

 

次の質問は「何に投資すべきなのか」という点ですが、それは単純明快に「世の中の動きなんてパンピーには読めないので、『好きなこと』をしましょう」というもの。天晴なくらいバッサリした答えですね。まぁ確かに一個人がぱっと思いつく将来予測なんて数十年前に語り尽くされたものばかりですしね…。そして英知を結集した予測だって外れますから。

 

将来を予測しようとしたり損得で考えたりせずに、「自分が好きなこと」に投資するのがいちばんです。「好きこそものの上手なれ」です。英語、ピアノ、習字、料理、エクセルなどのパソコンスキル……なんでもいいでしょう。新聞を欠かさず読み続けるのも、ひとつの投資です。「いまより人生の選択肢が増えそう」「いまより賢くなりそう」なものならなんでもいいわけですから、難しく考える必要はありません。

Read more at location 1896

 

 

なお、出口氏は自分への投資は長期的に考えることが大事だとおっしゃると同時に、金融資産への投資は「よく知っているものに長期」が基本だと説かれています。 

 

3. お金を使うのは楽しい。

ここまで来ると不安が随分解消されてきた気がしますね。「お金」ってなんだか不安をもたらす厄災のようなイメージをもちかねないですが、我々に色んな経験をさせてくれる「素敵な道具」でもあります。本書にもあるとおり、「お金の使い方は、自分がどんな人間になりたいかを自問自答すること」。そう考えるとお金を使うのも楽しくなってきますね。

 

出口氏はご自身の経験から「オールオアナッシング」と「若いうちに経験に使うこと」を勧めています。

 

それが、「オール・オア・ナッシング」の原則。100か0か。すべてか無か。いいものにはドンと大きく使い、そうでないものにはできるかぎり使わない、というルールです。

Read more at location 801

 

特に「オールオアナッシング」は本書を読む前から私もやっていましたが、とてもオススメですよ。例えば旅行の際に「1泊以外全部ドミトリー、だけど1泊は老舗の超高級ホテルに泊まる」というもの。総額は意外にも前泊ビジネスホテルに泊まるのと変わりません。この方法で行くと「超高級ホテルのサービス」を経験できるだけでなく、「老舗がなぜ生き残ってこれたのか?」といった考えるきっかけも与えてくれます。

こういった経験を若い内に買っておくと、将来その経験に基づいて考えたり、決断を下したりできますから、良い買い物ですよね。 

 

今日の「役立ち」

少し時間をかけて「不安」に思うものに向き合ってみると、自分が勝手に不安を増大させてしまっていることが多いのに気づきます。私にとっては「お金の不安」がその典型でした。

ぜひ皆さんも本書を一度手にとって考えてみてください。アラサーにも効果は抜群だったので、20代なら一撃必殺レベルだと思います!