【海外旅行】安全に旅行するために、テロよりも脅威が2倍ほど高いものを計算で出してみた
海外に住んでいると「遊びに行きたいんだけどテロとか大丈夫」とよく聞かれます。
バングラデシュの痛ましい事件があってから、テロに関して話題が及ぶことが多くなりました。旅行にでかける時に、たびレジ登録は当たり前になりましたね。
現在はローンウルフ型のテロが増加傾向、そしてもはや日本人だからといって標的外という神話は崩れてしまったので、「テロはないから大丈夫」とは言えないのですが、海外旅行者はテロよりも気を付けるべきことがあります。
それは、「交通事故」。
(私、海外赴任してから2回事故りました。どちらも当て逃げですけど…。)
体感としては、絶対に交通事故の方が気を付けるべきことが多いだろう、と思っていたのですが、ちゃんと数字を弾いてみたいと思います。
海外旅行でテロ被害に合う確率
まずググってみたところ、永江一石さんのブログ「テロが怖くて海外に行かないなら、日本でコンビニに行かないほうが良いかもね | More Access! More Fun!」を発見。ちょうどこの本を読み進めていたので、なんだか偶然。ちなみに本はコスパ高すぎで参考になりすぎなので即購入をオススメ。
さて、この記事の「海外でテロに遭う確率を解析」を参考に計算。なお、このブログが書かれた当時はなかった2015年度外務省の「海外邦人援護統計」が現時点(2017年3月21日時点)では公表されていたので、それも分析に加えました。引き続き2016年はないので2005年から2015年までの11年分を見ていきたいと思います。(以下の前提で計算し直しましたが、特に結果に大きな変更なし。)
- 2005年から2015年の間で「事故・災害」の項の「戦闘・暴動・クーデタ−」、「犯罪」の項の「テロ」の「死亡」「負傷」「その他」を計算すると1029名。
- 2005年から2015年の間の海外渡航者の人数は、1億8638万人。
- 上記ブログの試算と同じように平均滞在期間を9.4日として計算。
結果は、0.0061344で、「100万人が10日間の海外旅行をすると、およそ6人が1回テロに遭遇する」で変わらず。
海外旅行で交通事故被害に合う確率
「海外邦人援護統計」から交通事故も拾えるので、2005年から2015年までの11年分で見ていきたいと思います。
- 2005年から2015年の間で「事故・災害」の項の「交通機関事故」の「死亡」「負傷」を計算(厳しめにするための「その他」は除外)。そうすると11年間で「死亡」が367名、「負傷」が1715名で合計2082名。
- 2005年から2015年の間の海外渡航者の人数は、1億8638万人(上に同じ)
- 上記ブログの試算と同じように平均滞在期間を9.4日として計算(上に同じ)。
結果は、0.01241で「100万人が10日間の海外旅行をすると、およそ12人が1回交通事故に遭遇する(うち2名は死亡、10名は負傷)」となりました。
交通事故の方が約2倍のリスクです。まぁ人数的に2倍なので当たり前といえば当たり前の計算結果。
気になったのでアジアも調べてみた
アジア地域への邦人渡航者のデータが、2011年から2014年の4年間分しか見つからなかったので4年間で試算。データ・ソースはこちら。
アジア旅行で交通事故被害に合う確率
引き続き以下の条件で計算。
- 2011年から2014年の間で「事故・災害」の項の「戦闘・暴動・クーデタ−」、「犯罪」の項の「テロ」の「死亡」「負傷」「その他」を計算すると168名
- 2011年から2014年の間のアジア渡航者の人数は、5511万人。
- 平均滞在期間を9.4日として計算。
結果は0.0038で「100万人が10日間のアジア旅行をすると、およそ4人が1回テロに遭遇する」となる。
アジア旅行で交通事故被害に合う確率
- 2011年から2014年の間で「事故・災害」の項の「交通機関事故」の「死亡」「負傷」を計算(厳しめにするための「その他」は除外)。そうすると4年間で「死亡」が51名、「負傷」が291名で合計342名。
- 2011年から2014年の間のアジア渡航者の人数は、5511万人(上に同じ)。
- 平均滞在期間を9.4日として計算(上に同じ)。
結果は0.0068で「100万人が10日間のアジア旅行をすると、およそ7人が1回交通事故に遭遇する(うち1名は死亡、6名は負傷)」となる。約2倍で全体の傾向としては変わらずですね。
アジアの多くの国で自動車数増加傾向なので、交通事故の方がリスク高、となると思ったのですが、その分旅行客も他地域に比べて多いので比率は変わらなかったということですね。
まとめ:交通事故に巻き込まれないために。
永江一石さんの記事のように、テロについては甘め、交通事故について厳しく見積もってみたところ、海外旅行時は遭遇率に2倍の違いが現れました。「テロ心配する前に交通事故を心配しましょう」というのは言えそうですね。
これまで40か国以上を旅行した感覚値的には、アジアの場合、高速やバイパスといった道路状況が整備され、市民の足がタクシーになっている国の方が交通事故の死亡率が高いのではないかと推測します(タイ、ベトナムあたり)。道路整備が進んでいるとタクシーは100キロとか余裕でだせちゃいますから、もし事故ったら一発でお釈迦です。
ただ、バングラデシュ、スリランカ、カンボジアあたりは、CNG、スリーウィーラー、トゥクトゥクあたりが結構道路で幅を利かせていて、そのせいもあって渋滞もすごいので、市内でスピード出すのは結構至難の業。事故っても死なないレベルだと思います。そういったらあたりも何かしら分析できるといいのですが。
少なくとも交通事故を避けるために簡単にできることといえば、以下でしょうか。
- できる限り電車をつかう。特に発展している国はなおさら。
- タクシー運転手、トゥクトゥクetcの運転手がシラフか必ず話してみて確認する。怪しそうなら乗らない。リアルに酒飲んだり、クスリやってる輩もいますから要注意。
- 特に長距離バスはリスクが高い(スピードがでるし、悪路が多い)。安バスでケチらずに安全性が高いバス会社を選ぶ(もしくはいっそタクシーかレンタカーをハイヤーする)
とにかく安全と健康第一です。
ぼやき
あとは、テロより蚊の脅威(感染症)のほうが大きいと思うんですよね。こんな記事もありますし。ここももう少し掘り下げてみたいのですが、これもまた次回。