気休めなもの。役立ちのもの。

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サルとイヌの共同ブログ

新婚必読。「さよならもいわずに」を読んで号泣。

新婚ほやほやの私。

 

イケダハヤトさんが勧めていた「さよならもいわずに」を読んで号泣しました。

 

速攻で離れて住む妻にも購入を強要(共に仕事の関係で新婚ながらそれぞれ別の国で海外駐在中)。

 

実話であり、愛妻を失ったリアリティもさることながら、表現者としてのプロ意識に涙が止まらず。他人に言いたくないような恥ずかしい部分も含めてすべてリアルに描かれています。絵は確かに独特ですが、それを凌駕するエネルギーがそこにあります。

 

 

 

「祈りのような清々しささえもたらす」夏目房之介、絶賛。『このマンガがすごい! 2011』第3位、『このマンガを読め!2011』第3位、第14回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品、マンガ大賞2011第6位…現代を代表する漫画として高い評価を受け大ヒット。幸せな家庭を築いていた漫画家に突如訪れた悲劇、妻の死。最愛の人との最後の日々を、繊細で果敢に描き尽くすドキュメント。

 

生々しすぎるほどのリアリティ

冒頭にも記載がありますが、作者は葬儀の終了直後にネームに取り掛かっています。冒頭から妻が亡くなるシーンまでの圧倒的なリアル感。

 

「もしも同じ状況が起きたら自分もこんな反応と感情を抱くのだろうな…」

 

作者と妻の(他人がみたら恥ずかしい、でも自分にも思い当たる)日常のリアルがさらにその喪失感をリアルに浮き彫りにし、自分に起きたかのような錯覚までもたらします。

 

妻への愛から来る喪失感だけではなく、実際に日常的に思うこと、つまり妻を時に疎ましくおもったり、やっかいだと思ったり、そんな言いたくないであろう感情まできちんと描かれており、それがさらに感情を揺さぶります。

 

いかに最愛の人の死を乗り越えるか

妻がいなくなってからの日常をいかに乗り越えるか。少し落ち着いてから「ただいま」を言って返答がない。そこで張り詰めていた糸が切れて、ベッドに突っ伏して嗚咽するシーンは、もう涙が止まりません…。こういうふとした時に思い出し、ふとした時に感情が溢れてしまうんだろうな。

 

また、過去のビデオにでてくるおっぱいの映像にすがったり、誰かが自分を盗撮していないかネットで探してみたり。冷静になると「バカじゃないか」と思うような行為にすがってしまう作者。きっと自分もそんな行動に走るんじゃないか、と素直に思い、また涙しました。もう終始泣きっぱなし。

 

最愛の人が生きているうちに

きっとこれは自身が立ち直るために必要だった表現者としての治癒の過程なのだと思います。表現し、作品として残すことで癒されて、そして立ち直っていかれたのでしょう。

 

とにかく妻のみならず、大切な人には生きているうちにきちんと想いを伝える。日常をもっと大切にする。いつか来てしまうその日のために。日常の大切さを教えてくれる、そんな作品でした。少なくとも私は妻を毎日大切にしようと心に決めた次第です。新婚の誓い。

 

とにかく必読。特に新婚の方々はバイブルです。死ぬほどオススメですから、騙されたと思って、いや騙されて読んでください。1巻完結で、Kindle版は45%オフという奇跡。

 

もはやいい作品すぎて、ブログで紹介してくれていたイケダハヤトさんにもお礼を言いたい。ありがとう!